ここ数年はコロナ禍もあって、めっきり減った印象だが、それでも、慣例的に「暑気払い」あるいは「夏の納会」といった行事を催している会社もある。

 ところで、会社行事としての「暑気払い」は、労働時間として扱うべきなのだろうか。

 これは、会合に参加することが業務命令によるものであったかどうか、という基準で判断するのが妥当だ。
 例えば、それが取引先を接待する目的の会合であって、会社(上司)が出席を命じた(黙示の命令を含む)なら、これは業務であり、労働時間として扱うことになる。 労働時間である以上、それに応じた賃金を支払わなければならないし、万が一、出席した従業員が会合の場で負傷したなら、それは労災事故(業務災害)となり、会社の責任を問われる可能性もある。

 一方、その会合が職場内の親睦を深めることが目的で参加を強制されないものなら、ほとんどのケースで業務性は無いと言えそうだ。
 ただし、会合の目的や出席者の職位や参加した時間(飲酒の程度)によっては、業務として扱うべきケースもある。
 飲酒後の帰宅途上での事故(通勤災害事案)について、「職場の問題点等について懇談し業務の円滑な遂行を確保することを目的とした会合に“主催部局の統括者”として出席したことは“始まってから2時間程度”は業務と認めるのが相当」とされた事例(東京高判H20.06.25※)も参考にしたい。
 ※)ちなみに、この事件では、その業務性は午後7時頃には終わっていたところ事故発生は午後10時30分頃であったため通勤災害と認定することはできない、と判じられている。

 とは言うものの、取引先と飲むのであれ同僚と飲むのであれ、泥酔して周囲に迷惑を掛けたり、飲酒運転などの反社会的行為をしたりすることまで業務であるはずもなく、また、会社はそういったことを許してはならない。
 「節度ある飲酒」を啓発する機会として「暑気払い」を活用するのも悪くないだろう。



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