働き方改革に関連して「同一労働同一賃金」が法制化されて5年が経過した。
 これを受け、厚生労働省に設置された労働政策審議会では、パートタイム・有期雇用労働法(以下、「パート有期法」と略す)の見直しを検討している。

 では、ここで改めて、現行のパート有期法に定められている内容をざっと整理しておこう。
   (1) 労働条件に関する特定事項を書面で明示する(義務)
   (2) 短時間・有期雇用労働者に係る就業規則の作成・変更にあたり、短時間・有期雇用労働者の過半数を代表する者の意見を聴くように努める(努力義務)
   (3) 業務の内容や責任の程度等に照らして不合理な待遇の禁止
   (4) 通常の労働者と同視すべき短時間・有期雇用労働者に対する差別的取扱いの禁止
   (5) 通常の労働者との均衡を考慮しつつ賃金を決定するように努める(努力義務)
   (6) 通常の労働者に対する教育訓練は、職務内容が同一の短時間・有期雇用労働者に対しても実施する(義務)
   (7) 職務内容が同一でない短時間・有期雇用労働者に対しても、通常の労働者との均衡を考慮しつつ教育訓練を実施するように努める(努力義務)
   (8) 短時間・有期雇用労働者にも福利厚生施設利用の機会を与える(義務)
   (9) 通常の労働者を募集する際にその内容を周知する等、短時間・有期雇用労働者から通常の労働者への転換を推進する措置を講じる(義務)
  (10) (3)~(9)の内容を短時間・有期雇用労働者に説明し、労働者から求めがあったときには、通常の労働者との待遇差やその理由等を説明する(義務)

 これらのうち(4)こそは「同一労働同一賃金」の規定だが、それ以外は、“不合理でなく均衡が図られている”のであれば、必ずしも「同一の待遇」を求めるものではない。
 ただ、労働政策審議会では、(10)(パート有期法第14条第2項)文中の「労働者から求めがあったときには」を削除する方向で議論されている。 労働者側から雇い主に説明を求めるのはハードルが高いので、会社が能動的に説明することを義務づけようというのだ。

 もっとも、そもそも、短時間・有期雇用労働者と通常の労働者とに待遇差を設けているのは、業務の内容や責任の軽重や転勤可能性の有無その他、合理的な根拠に拠っていたはずだ。
 もし法改正があって待遇差の理由を明示しなければならないこととなったとしても動じることのないよう、それを常に明確化しておくべきとまで言っては厳しすぎるだろうか。



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