昨年(令和7年)4月から国家公務員に「選択的週休3日制」が導入され、これに倣って民間企業の週休3日制も増えるかと思いきや、そうでもなかったようだ。
先ごろ厚生労働省が公表した「令和7年就労条件総合調査」によれば、「何らかの週休3日制」を導入している企業は「0.9%」であり、昨年の「1.6%」より減っている。「完全週休3日制」に至っては、昨年「0.3%」だったのが「0.0%」(統計誤差があるので必ずしもゼロではない)まで落ち込んでいる。
たしかに、わが国では「会社の営業日=従業員の出勤日」との考え方が(社内外を問わず)根強いため、「顧客対応に支障が出る」との懸念から休みを増やすのには消極的だ。 そのために複数担当制やワークシェアリングを採り入れたり、業務分掌を見直したり、そもそも労働に対する価値観(パラダイム)の変革を求められる業態・会社もあるだろう。
また、労務管理が複雑化して事務負担が増えることも、週休3日制の導入が進まない理由の一つだ。
しかし、従業員が休日を家族サービスや社外の人との交流や自己啓発などに使って、あるいは英気を養って、より高いパフォーマンスを発揮してくれるなら、それは会社にとって損ではない。
また、「年間休日157日」というのはリクルート上の好材料にもなる。
ちなみに、週休3日制の導入形態には、次の3パターンがある。
A:総労働時間を変えず、賃金も維持する
例えば「1日10時間×週4日勤務」(国家公務員はこのパターン)とする。
恒常的に残業が発生している会社や小売業等では導入しやすい。
B:労働時間を減らし、その分、賃金も減らす
単純計算で「20%の収入減」となることに従業員の理解が得られるかが課題。
C:労働時間を減らすが、賃金は維持する
実質的に賃上げとなる。
全従業員一律に適用しないと不公平となる。
中でも「C」は、賃上げ原資の無い会社が人材流出を防ぐために採りうる現実的な策とも言える。 いささか後ろ向きの動機ではあるが、受注量・稼働率が低下している会社においては、今が週休3日制を導入する好機なのかも知れない。
現状、「土・日・祝」を休む「完全週休2日制」を採用している会社は、少し工夫すれば「何らかの週休3日制」は(理論上は)不可能ではないだろう。
実際に導入するのは容易でないとしても、導入できるかどうかの検討ぐらいはしてみる価値があるのではなかろうか。
文責: 特定社会保険労務士 神田 一樹
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