失業者がハローワークで「特定受給資格者」と認定されると、失業給付の基本手当を給付制限なく待期(7日間)経過後すぐに受給でき、また、受給日数の面でも有利になる。
 特定受給資格者となるか否かの判断はハローワークに委ねられるが、基本的には、離職票に記載されている被保険者資格喪失原因が「事業主の都合による離職」(以下、本稿では「会社都合離職」と呼ぶ)になっている場合には特定受給資格者になる。

 会社都合離職の最も典型的なケースは、「解雇」だ。
 解雇は会社の一方的な意思表示によるものであるので、それを被った労働者を手厚く保護するという趣旨はうなずける。
 仮に解雇の有効性が争われているとしても、失業者の当面の生活を維持するために失業給付は「仮給付」という形で実行されるし、受給したことをもって解雇を容認したことにもならない。

 また、「退職勧奨・早期退職募集に応じたもの」や「有期雇用従業員の雇い止め(3年以上継続したものに限る)」といったケースも、「2か月以上にわたる賃金未払い」や「長時間労働」や「ハラスメント」等のために本人が退職を申し出たケースも(後段は会社からではなく本人からの申し出によるものが大多数であるが)、会社都合離職になる。

 一方で、「労働者の責めに帰すべき重大な理由による解雇」であれば、会社都合離職にならない。
 これは、懲戒解雇だけでなく無断欠勤や勤務態度不良等を事由とする解雇も該当するが、こうしたケースはいずれも、その後の労使トラブルに発展するリスクを孕んでいるので、慎重に検討したうえでの判断が求められよう。

 ちなみに、会社都合離職を生じさせた会社には、次のようなデメリットがある。

(1) 一部の雇用関係助成金(特定求職者雇用開発助成金・人材開発支援助成金等)が、一定期間、受給できない(または減額される)場合がある。

(2) 「特定技能」の外国人を雇い入れることができない場合がある。

 とは言っても、これらデメリットを生じさせないために事実と異なる届け出をするのは、雇用保険法違反(六月以下の拘禁刑又は三十万円以下の罰金)でもあるので、厳に慎まれたい。

 なお、雇用保険制度には、これとは別に「特定理由離職者」という概念もある。
 有期雇用契約(3年以上継続したものを除く)が更新されなかった者ややむを得ない事情(結婚・出産等)のために自らの意思で離職した者のことだ。
 「特定受給資格者」と似た用語であり、失業給付の内容や取り扱いも同様だが、あくまで「会社都合離職」とは異なるので、これらを混同しないようにしたい。



※この記事はお役に立ちましたでしょうか。
 よろしかったら「人気ブログランキング」への投票をお願いいたします。
 (クリックしていただくと、当ブログにポイントが入り、ランキングページが開きます。)
  ↓

 人気ブログランキングへ