パートタイム・有期雇用労働法(以下、「パート有期労働法」と略す)第6条第1項は、パートタイマーや有期雇用労働者を雇い入れる際に、労働基準法第15条第1項および同法施行規則第5条第1項に定める「労働条件に関する事項」のほか、パート有期労働法施行規則第2条第1項に定める以下の「特定事項」を書面(文書・ファクシミリ・電子メール等)で明示することを、雇い主に義務づけている。
  1 昇給の有無
  2 退職手当の有無
  3 賞与の有無
  4 短時間・有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する事項に係る相談窓口
 厚生労働省では、これに「待遇の相違等に関する説明を求めることができる」旨を加えることとする省令改正を進めてきた。

 そもそも、会社は、通常の労働者と同視すべきパートタイマーや有期雇用労働者に対する差別的取り扱いをしてはならず(【均等待遇】)、通常の労働者と同視できない者についても業務の内容や責任の程度等に照らして不合理な待遇差を設けてはならない(【均衡待遇】)。 そして、当該労働者から求めがあったときには、待遇の相違の内容やその理由等について説明しなければならない(パート有期労働法第14条第2項)。
 これに関して労働政策審議会(同一労働同一賃金部会)では、「労働者側から雇い主に説明を求めるのはハードルが高い」との意見が出され、「求めがあったときには」の文言を削除して雇い主の能動的な説明を義務づける方向で検討されていたが、法的枠組みへ踏み込んでの意見が一致せず法改正は見送られた。

 こうした経緯を受けて、厚生労働省は、省令と「同一労働同一賃金ガイドライン」(告示)の改正で対応することとしたものだ。

 改正ガイドラインには、

  ①「賞与・退職手当・家族手当・住宅手当等について特段の理由が無ければ原則として通常の労働者と同一のものを支給するべきこと」

  ②「待遇について職務の内容等の違いに応じた均衡のとれたものとすることが求められること」

  ③「無期雇用フルタイム労働者についてもガイドラインの趣旨が考慮されるべきであること」

  ④「派遣先における派遣料金への配慮義務が適切に履行されるよう、派遣先が派遣元からの派遣料金交渉に一切応じない場合等は、法の趣旨を踏まえた対応とはいえないこと」

  ⑤「待遇差に関する説明について『資料を活用し、口頭により説明』または『説明事項を全て記載した資料の交付』のいずれかとすること」

等が盛り込まれている。

 改正パート有期労働法施行規則と「同一労働同一賃金ガイドライン」は、令和8年4月28日に公布され、今秋10月1日から適用される。



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